アップルパイを作ったとき、下の生地がべちゃっとしてしまい「思っていた仕上がりと違う」と感じた経験はありませんか。
実はこの失敗、多くの場合は下の生地を先に焼いていないことが原因です。
アップルパイでは、りんごフィリングの水分が生地に染み込みやすいため、そのまま焼くと底が生焼けのような状態になりやすくなります。
そこで使われるのが「下の生地を先に焼く」という方法です。
この記事では、
・アップルパイの下の生地を先に焼く理由
・先に焼くメリットとデメリット
・生焼けを防ぐコツ
・おすすめのパイ型
などを分かりやすく解説します。サクサクのアップルパイを作りたい方は、ぜひ参考にしてください。
アップルパイの下の生地を先に焼くメリットとデメリット

アップルパイでは、下の生地を先に焼く(空焼きする)方法がよく使われます。
これは失敗を防ぐための重要な工程です。
メリット
りんごの水分が染み込みにくくなる
アップルパイをそのまま焼くと、加熱中にりんごから多くの水分が出ます。
この水分が下の生地に染み込むと、生地が湿ってしまいサクサク感がなくなります。
そこで、先に生地を焼いてしっかりした土台を作っておくことで、水分が染み込みにくくなります。
結果として、生焼けのような状態を防ぎやすくなります。
食感のコントラストがよくなる
下の生地を先に焼いておくと、底の部分がしっかり焼き上がります。
すると、
・ザクザクした土台
・とろっとしたりんごフィリング
・サクサクの上のパイ生地
という食感の違いがはっきりして、アップルパイらしい仕上がりになります。
さらに型離れもしやすくなるため、きれいに取り出しやすいのもメリットです。
デメリット
手間と時間が増える
一方で、下の生地を先に焼く工程は時間がかかるというデメリットがあります。
本来ならフィリングと一緒に焼けるところを、
- 下の生地を焼く
- フィリングを入れる
- 再度焼く
という工程になるため、調理時間は長くなります。
しかし、この工程を省くと底がべちゃっとした仕上がりになりやすいため、サクサクのアップルパイを作るなら省かない方がよい工程と言えます。
アップルパイの下の生地が生焼けになる原因

アップルパイの底が生焼けのようになる主な原因は、りんごの水分です。
アップルパイの構造は、オーブンの中では次のようになります。
下からの熱源 → 天板 → 型 → 下の生地 → フィリング → 上の生地 → 上からの熱
上のパイ生地は直接熱を受けるため焼き色がつきやすいですが、下の生地は熱が伝わりにくい位置にあります。
そこにりんごの水分が加わると、生地が焼ける前に水分を吸ってしまい、生焼けのような食感になってしまうのです。
また、次のような条件でも失敗しやすくなります。
- フィリングの水分が多い
- パイ生地が柔らかくなっている
- オーブンの温度が低い
- 焼き時間が短い
こうした条件が重なると、底が焼ききれない原因になります。
生焼けを防ぐ方法

下の生地を先に焼く
最も効果的なのが、下の生地だけ先に焼く方法です。
生地を空焼きして固めておくことで、水分が染み込みにくくなり、底がべちゃっとするのを防げます。
アップルパイを失敗なく作りたい場合は、この方法がもっとも確実です。
水分を吸う素材を敷く
もう一つの方法として、フィリングの下に水分を吸う素材を敷く方法もあります。
例えば、
- スポンジ生地
- カステラの切れ端
- クランブル
- 砕いたクッキー
などを薄く敷いておくと、りんごの水分を吸収してくれるため、生地が湿りにくくなります。
この方法は食感のアクセントにもなるので、好みに合わせて取り入れるとよいでしょう。
アップルパイの下の生地を先に焼く方法(空焼き)

アップルパイの下の生地を先に焼く方法は、製菓では「空焼き(からやき)」と呼ばれます。
少し手間はかかりますが、この工程を入れるだけで底がべちゃっとする失敗を防ぎやすくなります。
家庭でも簡単にできる基本的な手順を紹介します。
パイ生地を型に敷く
まずパイ生地を伸ばして型に敷き込みます。
このとき
- 型の角までしっかり密着させる
- 底にフォークで穴をあける
ようにしておくと、生地が膨らみにくくなります。
重しをして空焼きする
生地の上に
- クッキングシート
- アルミホイル
を敷き、その上に
- タルトストーン
- 乾燥豆
- 米
などを乗せます。
こうすることで、生地が膨らまず平らな土台を作ることができます。
軽く焼き色がつくまで焼く
180〜200℃のオーブンで10〜15分ほど焼きます。
軽く焼き色がついたら重しを外し、必要ならさらに数分焼いて底を乾かします。
この状態にしてからフィリングを入れて焼くことで、りんごの水分が染み込みにくくなります。
下の生地は必ず先に焼く必要がある?

アップルパイのレシピを見ると「下の生地を先に焼く」と書かれているものが多いですが、実は必ずしも必要とは限りません。
条件によっては、フィリングと一緒に焼いても問題なく仕上がる場合もあります。
ここでは、先に焼かなくても成功しやすい条件について解説します。
フィリングの水分が少ない場合
りんごのフィリングは作り方によって水分量が大きく変わります。
例えば、
・りんごをしっかり加熱して水分を飛ばす
・砂糖を控えめにする
・煮詰めてとろみを強くする
などの方法で水分を減らしたフィリングにすれば、生地が水分を吸う量も減ります。
このような場合は、下の生地を先に焼かなくても底がべちゃっとしにくくなります。
小さなパイや薄い生地の場合
家庭で作るアップルパイには、
・ミニパイ
・タルトサイズ
・薄いパイ生地
などさまざまなタイプがあります。
生地が薄い場合は、熱が通りやすいため底まで焼けやすいという特徴があります。
この場合も、空焼きを省いてそのまま焼けることがあります。
オーブンの下火が強い場合
オーブンによっては、下からの熱が強く伝わるタイプもあります。
例えば、
・コンベクションオーブン
・ピザモード
・下火が強いオーブン
などの場合、底までしっかり火が通るため、生焼けになりにくいことがあります。
家庭用オーブンでは個体差があるため、自宅のオーブンの特性を知ることも重要なポイントです。
それでも基本は「先に焼く」が失敗しにくい
条件がそろえば空焼きを省くことも可能ですが、一般的な家庭のオーブンでは
・フィリングの水分
・型の材質
・焼き時間
などの影響で失敗することも少なくありません。
そのため、特に初心者の場合は下の生地を先に焼く方法が最も失敗しにくい作り方と言えます。
まとめ
アップルパイの下の生地を先に焼くのは、底が生焼けになるのを防ぐための大切な工程です。
りんごフィリングから出る水分はどうしても多くなります。そのため、生地を先に焼いてしっかりした土台を作ることで、水分の影響を受けにくくなります。
少し手間は増えますが、
・サクサクした下の生地
・とろっとしたりんごフィリング
・軽い食感のパイ生地
という、アップルパイらしい仕上がりになります。
自宅で作るときは、ぜひ下の生地を先に焼く方法を試してみてください。仕上がりの違いを実感できるはずです。
