1月7日は、人日(じんじつ)の節句です。
もともと中国では、唐の時代から健康を願って「人日」に7種類の野菜を入れたとろみのある汁を飲む風習があったとされ、日本でも「邪気を払って病気が退散する」との考えから、新春に摘んだ若葉を食べる風習がありました。
鎌倉時代から、お粥として食べられるようになったと言われています。
現在でも1月7日に七草粥を食べる風習がありますが、餅を入れる地域があったり、七草以外のものを入れたりと、様々なようです。
この記事では、七草粥に餅を入れる地域はどこ?ご飯も入れる?など七草粥に関する疑問をご紹介したいと思います。
七草粥に餅を入れる地域はどこ?ご飯も入れる?
七草粥には、春の七草7種を入れて作ります。
しかし、地域によっては、七草だけでなく、餅を入れるところもあるようです。
詳しく解説します。
七草粥に餅を入れる地域は、秋田、福島、福井、兵庫、和歌山、島根、愛媛県だと言われています。
しかし、どこの地域も必ず餅を入れるわけではないようです。
上記の地域以外にも、餅を入れる地域はあるようで、地域で決まっているというよりも、ご家庭によって餅が入っているという認識のほうが良いようです。
餅を入れる理由としては、力が出ない(満たされない)ので、餅を入れるというご家庭が多いようです。
胃を休めるために食べると言われている七草粥ですが、餅を入れるのであれば、一年間の無病息災を願って食べるという意味合いだと良いですね。
七草粥に餅を入れたら、ご飯も入れる?と疑問に思っている方もいらっしゃると思います。
餅だけを入れた、七草粥を食べている地域もあるようですが、多くはご飯もお餅を入ったお粥を食べている地域がほとんどのようですね。
七草粥以外を食べる地域はどこ?
七草粥だけを入れて食べる地域もあれば、なずなだけ、あり合わせの野菜を入れている地域、小豆を入れる地域など様々です。
七草粥以外を食べている地域はどこ?
詳しくご紹介します。
<三重県鳥羽市>
三重県鳥羽市では、フノリ・ホンダワラ・ひじきなどの海藻を和えたメニューを神棚に供える習わしがあります。
<青森県津軽地方、秋田県一部>
青森県津軽地方や秋田県の一部では、豪雪地帯のため、七草を摘むことが出来ず、大根・人参・あげ・こんにゃく・根菜や大豆製品の7種を入れて【けの汁】と言うものを七草粥の代わりに食べています。
けの汁は、「粥の汁」が語源になっていると言われています。
七草粥の代わりなので、ご飯も入れる?と疑問に思うと思いますが、けの汁にはご飯は入らない、汁物のようです。
また1月7日に食べるのではなく、旧正月の1月15日に食べられるそうです。
<山形県村山市周辺>
この地域も、豪雪地帯で七草を摘むことが出来なかったため、七草粥の代わりに、【納豆汁】が食べられています。
自家製の納豆をすり鉢で丁寧にすりおろして、とろみを出し、みそ味に仕立てた汁です。
豆腐、厚揚げ、こんにゃく、きのこ、山菜などが入ります。
特に、芋の茎を干した「芋がら」は、必ず入るそうです。
納豆汁の中に、ご飯も入れる?と疑問に思いますが、こちらもご飯は入れないようです。
豪雪地方の方は、七草を摘むことが出来ないところが多いため、その代わりのものが食べられているのですね。
<茨城・千葉の一部>
七草粥ではなく、アブラナや小松菜を入れた菜飯を食べる習慣があるそうです。
特に、茨城では7日を過ぎるまで青菜を食べない地域があるようで、7日に小松菜を入れた菜飯が食べられます。
<香川県三豊市>
この地域では、7種類の青菜(大根・カブ・ねぎ・春菊・白菜・水菜・高菜)をお浸しにして食べるそうです。
<九州の一部地域>
福岡や九州の一部の地域は、七草粥を雑炊にして食べたり、七草がメイン食材でみそ仕立てにした汁【七草汁】というものが食べられています。
七草以外にも、クジラ肉やブリなど海の幸が加わり、福岡のお雑煮には欠かせない「カツオ菜」も使われているそうです。
七草汁には、ご飯も入っている?と疑問に思いますが、七草汁にもご飯は入っていないようです。
クジラ肉やブリなどのたんぱく源と七草が入ったお味噌汁のようです。
七草粥に餅を入れる地域は?【まとめ】
七草粥に餅が入っている地域はどこ?ご飯も入れる?という疑問を中心にご紹介しました。
七草粥に餅を入れるのは、地域によってというよりも、ご家庭によってというのが多いようです。
今では、全国で七草が手に入りますが、昔は七草を摘むことが出来なかった豪雪地域は、七草粥ではなく、別のものを食べていることがわかりました。
食べるものが違っても、食べている意味合いは同じで、1年間の無病息災や健康長寿を願って食べられています。