とんかつを揚げたら、生焼けだったなんて経験ありませんか?
生の豚肉は食中毒や寄生虫のリスクがあり、とても危険なので必ず中心部まで完全に火を通して食べる必要があります。
残念ながら生焼けだった時、レンジで加熱するなどの対処法が真っ先に浮かびますよね。
とんかつはお肉の厚みもありますし、衣をつけているので、揚げている間に内部まで加熱されているかの判断が難しいです。
切ってみたら中がピンクで、それで生焼けだと思いがちですが、実はピンクだから生焼けとは限りません。
豚肉が生焼けかどうか判断するのは、肉汁の色と中心温度です。
本文では、とんかつが生焼けかどうかを判断するポイントと、実際に生焼けだった場合の対処法を詳しく紹介していきます。
とんかつの生焼けを判断するのは?
肉汁が赤い
とんかつを切った時に中がピンクだったからといって、それが必ずしも生焼けとは限りません。
お店で食べるとんかつの断面や、低温調理した豚肉はきれいなピンク色だったりします。
豚肉には「ミオグロビン」というたんぱく質が多く含まれており、筋肉に酸素を運ぶ役割をしていて、酸素と結びつくことでミオグロビンは赤くなるため、必ずしも色だけでは判断できません。
しかし安心して良いのは、衛生管理のしっかりしたお店で食べる時だけです。
おうちでとんかつなど厚みのあるお肉を調理する時には、肉汁の色に注意しましょう。
竹串などを中心部(最も厚みのあるところ)に竹串などを刺して、出てくる肉汁が透明なら火が通っている証拠です。赤い肉汁が出てくる場合は生焼けのサインなので、さらに加熱が必要になります。
中心温度が低い
お肉に刺すタイプの温度計を使って、中心部の温度を計ります。
豚肉の加熱基準は厚生労働省ウェブサイトにも記載がありますが、63℃で30分もしくは75℃以上(いずれも中心部)で1分間の加熱をすることで「火が通っている」と判断されます。
とんかつの調理については、「75℃以上で1分間」加熱することが必要です。
生焼けとんかつの危険性と対処法
生の豚肉はこんなに危険
前の項で厚生労働省が定めている加熱基準について書きましたが、同HPでは生の豚肉について絶対に食べないよう厳しい注意喚起がされています。
生の豚肉には、サルモネラ菌やカンピロバクター、リステリア菌などの細菌や、トキソプラズマなどの寄生虫、さらにE型肝炎などのリスクがあります。
全ての人が必ず感染するとは言い切れませんが、免疫力の落ちている方や子供、高齢者はリスクが高くなります。主な初期症状は発熱、腹痛、下痢などですが、時間が経ってから重症化する可能性がありとても危険です。
生焼けだった場合の対処法
とんかつを揚げたら生焼けだった時の対処法ですが、まずは電子レンジで加熱します。そこで長く加熱すると肉が縮む原因になるため、数十秒ずつ小刻みに加熱します。
次に、オーブントースターにアルミホイルを敷いた上に置いて加熱し、余分な水分や油を飛ばします。これで生焼けも解消し、カラッと仕上がります。
また、揚がったところに温度計を刺して、それが75℃以下だった場合は再度油の中に入れて二度揚げすることでも生焼けを防げます。
とんかつの生焼けの判断と対策方法【まとめ】
とんかつの生焼けを見分ける基準と、その対処法について紹介してきました。
切った時にほんのりピンク色だった場合には、一概に生焼けとはいえませんが、赤い色の肉汁が出てきたら生焼けになります。
切る前であれば、一番厚い部分に温度計を刺して、75℃以下なら生焼けの可能性が高いです。
対処法としては、切る前の温度不足であれば二度揚げで回避できます。切って赤い肉汁が出てきた場合は電子レンジで小刻みに加熱し、その後でオーブントースターでカラッと仕上げます。
豚肉を生焼けで食べることは、細菌の感染や寄生虫のリスクがとても高くなりますので、必ず中まで火を通して食べましょう。
とんかつを作る際の参考になれば嬉しいです。