普段、かつおだしを何に使っていますか?
日本料理のだしで最も有名といって過言ではないのが「かつおだし」だと思います。
かつお節から作られる「かつおだし」は濃厚なうまみと風味が特徴で、料理の種類を問わず広く使われています。
日本人にとって馴染みの深い、慣れ親しんだ味わいですよね。
かつおだしのうまみ成分は「イノシン酸」で、昆布だしの「グルタミン酸」とは相性が良く、相乗効果で濃いうまみを生み出します。
かつおだしは何に使うか考える必要もないほど食生活に根付いていますが、あらためてその特徴やおすすめの料理をまとめてみたいと思います。
かつおだしは何に使う?特徴
※かつおだしの原料
かつおだしの原料はかつお節ですが、脂の乗った戻りガツオをかつお節にしてしまうのはちょっと勿体無いと思いませんか?
実は、かつお節に向いているのは脂の少ない、身が締まった小型のタイプが向いています。
かつおの身を煙で燻して作られる「荒節(あらぶし)」、カビを利用して熟成される「枯節(かれぶし)」の2種類がありますが、手間暇がかかっていてより高級なのが枯節です。
スーパーに売っているパックのものを「かつお節」と呼びがちですが、厳密に言うと「かつお節」とは丸ごとの状態を指し、削られているものは「削り節」と区別します。
かつお節と削り節、何に使うか用途は同じですが、かつお節の方が高級感がありそうですよね。
※かつおだしのうまみ成分
かつおだしのうまみ成分は「イノシン酸」です。
イノシン酸はかつおの他、牛肉や豚肉、鶏肉といった肉類に豊富に含まれています。
グルタミン酸と違い、動物性の食品に含まれているのが特徴です。
削り節にお醤油をかけると「おかか」になり、それだけでご飯がたくさん食べられますよね。
それは削り節に「うまみ」があるからで、そのうまみの正体が「イノシン酸」なのです。
※昆布だしと相性が良い
ところで、イノシン酸はグルタミン酸との相性が良いとされています。
昆布だしとかつおだしを合わせた「合わせだし」が一般的に使われ、多く市販されていますよね。
異なるうまみ成分が相乗効果をもたらすことは1960年に発見されていますが、科学的に証明される前に生活の知恵として根付いていたといえます。
かつおだしのおすすめ料理
※和食
かつおだしの美味しさを生かすおすすめ料理は、なんといっても麺類のだし、つゆです。
醤油の強い風味や塩味に負けないパワフルなだしの風味がかつおだしの大きな特徴です。
その他にも醤油味の煮物や味噌汁など、和の家庭料理に大活躍です。
肉じゃがや鶏の照り焼きといった、お肉を使った料理にも相性が良く、おでんや鍋物にも大活躍です。
私は和風のだし風味でロールキャベツを作ることも多いのですが、かつおだしの風味が煮込んだ野菜とよく合います。
食材を選ばず、何に使うか迷うことがないのもかつおだしの利点です。
※繊細な料理にも
かつおだしは醤油の濃い味とよく合うので、麺類のつゆやこってりした肉料理にもよく使いますが、繊細な風味を身上とする料理にも使えます。
すまし汁や茶碗蒸しといった、淡く繊細な味わいが求められる料理では短時間でだしを取ることによって雑味を加えず、上品な香りだけを残すのがコツです。
かつおだしは何に使う?【まとめ】
かつおだしは日本の食卓に馴染みが深く、何に使うか迷うこともあまりなさそうですよね。
かつおを原料とし、煙で燻したりカビを付けて熟成させたりと、手間暇がかかっているかつお節は、古くから日本の食卓に根付いています。
魚介や肉類に含まれるうまみ成分「イノシン酸」がもたらす濃厚なうまみは、風味の強い醤油味にも負けないので、麺類のつゆや醤油味の煮物、味噌汁にもぴったりです。
濃い味の料理にかつおだしが使われるイメージですが、すまし汁や茶碗蒸しといった繊細な料理にもそのうまみと風味を発揮します。
かつおだしがあれば、何に使うかどんな料理を作るか迷うこともありません。
是非色々な料理に活用してみてくださいね。