土用の丑の日が近付くと、うなぎ屋さんが大忙しのイメージがありますよね。
スーパーの魚売り場やお総菜売り場でも「うなぎ」と書かれたのぼりが立って、「ああ、土用の丑の日が近いんだな」と気付かされます。
少々お財布には辛いですが、季節の風物詩として毎年うなぎを食べるようにしています。
ところで、うなぎ丼とうな重はどう違うのでしょうか。
丼に盛られているのがうなぎ丼で、重箱に詰められているのがうな重だ、と答えてしまいそうですが、実はそれだけではありません。
盛り付けられているうなぎの量にも違いがあることは、実はあまり知られていません。
この記事では、うなぎ丼とうな重の違いと定義を詳しく紹介していきたいと思います。
Contents
うなぎ丼とうな重の違いは?
※盛り付ける器の違い
うなぎ丼とうな重の違いで最も分かりやすいのが、読んで字のごとく「器」の違いです。
丼に盛ったご飯にうなぎの蒲焼を乗せたのがうなぎ丼、長方形の漆塗りの重箱にご飯を敷き詰めて、その上に隙間なくうなぎを乗せたのがうな重です。
どちらもたっぷりの甘味のあるタレが食欲をそそりますよね。
どちらかというとうなぎ丼は定食屋さんでも食べられるようなカジュアルなイメージ、うな重はうなぎ専門店で食べるような高級感があります。
でも、両者の違いは器だけではありません。
※うなぎの量の違い
実は、うなぎ丼とうな重の違いは「使われているうなぎの量」にあります。
うなぎ丼をよく見てみると、丼の中央部分にうなぎが乗っていますが、うな重は重箱に詰められたご飯がほぼ見えないくらい全面に敷き詰められたようになっています。
うなぎ丼とうな重を並べて見比べることは通常ないので、一見わからないですよね。
うなぎ丼は小さめサイズのうなぎでも成り立ちますが、うな重の場合はうなぎが小さいと貧相になってしまいます。
そのため、基本的にはうな重の方が使用するうなぎの量(サイズ)が大きくなっています。
もちろん、お店によって違いがあり、メニューにもランクがあるので一概には言えませんが、参考までに知っておくと蘊蓄の披露にも使えそうですよね。
※うなぎの部位の違い
うなぎ丼とうな重の違い、もう一つは「使用する部位の違い」です。
こちらもお店によりますし、うなぎのサイズによっても変わってきますが、うなぎの身でもっとも厚みがあるのが胴体の部分です。
対して、頭の部分は小骨が多く、しっぽの部分は身が薄くて細くなっていますよね。
筆者は貧乏性なので、先にしっぽや頭の部分を食べてから、身の厚い胴体部分をゆっくり味わうようにしています(笑)。
厚みがありふっくらした食感の胴体の一番太い部分は、うな重に優先して使われ、胴体を抜いた頭部分としっぽ近くの部分をうなぎ丼に使われることも多いです。
これはお店ごとにルールがあり、メニューにも「並・上・特上」といったランクがあったりするので一概に言えることではありませんが、より柔らかいうなぎをたくさん食べたい場合はうな重、ですね。
なぜ土用にうなぎを食べるのか?
土用の丑の日は、2023年は7月30日です。
夏の暑い時期にスタミナをつけるためにうなぎの蒲焼を食べるという風習がありますよね。
江戸時代中期までは、うなぎというよりも「う」の付く食べ物を食べるとされていて、「うどん」が盛んに食べられていたようです。
諸説ありますが、平賀源内が推奨したという説が有名ですよね。
うなぎ丼とうな重の違いとは?【まとめ】
土用の丑の日が近付くと、うなぎを食べる季節だな、と感じますが、うなぎ丼とうな重の違いは普段あまり考えることはないのではないでしょうか。
うなぎ丼とうな重の違いは「器・大きさ・部位」です。
器の違いは一目でわかりますが、丼にのせるうなぎの量はさほど多くなく、胴体部分ほど身の厚くない頭やしっぽ近くの部位が多く使われます。
一方のうな重は、身が厚くふっくらと柔らかい胴体部分を優先して使っている上に、重箱全体に敷き詰められているので量と質いずれもうなぎ丼に優っています(その分お値段も張りますが……)。
丑の日にうなぎを食べに行ったら、うなぎ丼とうな重の違いについて、ぜひ蘊蓄を披露してみてくださいね。