お刺身を「お造り」というとよそ行きのような雰囲気がありますよね。
元々は「切る」といった言葉を避けて「つくる」を使った言葉といわれていて、決して盛り方の違いではありませんでした。
現代ではその解釈が変わってきて、薬味やつま、あしらいなどを美しく盛り込んだものを「お造り」というイメージがあります。
少し高級なお店でいただくイメージがありますが、ご家庭でも高級店のようにおしゃれな盛り方をすることで、ぐっと雰囲気を変えてみてはいかがでしょうか。
お造りに薬味やあしらいを使って、おしゃれに盛り込むテクニックについても紹介していきたいと思います。
お刺身とお造りの違い
※地域による違い
お刺身は魚を食べやすい大きさに「切って」供するものですが、武家社会の江戸では「切る」というのは忌み言葉とされていたため「刺す」を代わりに使ったという説があります。
これが「刺身」の語源とされていますが、「お造り」というのはどこから伝わったのでしょうか。
関西では「切る」と同様に「刺す」もタブーとして避けられていたため「つくる」という言葉が使われていました。
「切り身」を「つくり身」、「刺身」を「お造り」と呼ぶようになり、現在でも使われている言葉です。
※現代ではイメージによる違い?
現代では、家または比較的カジュアルで食べるのが「お刺身」、少しかしこまったお店で食べるのが「お造り」と呼ばれるイメージがあります。
刺身用に切られた魚全般が「お刺身」、その刺身に白髪大根や大葉、穂じそ、菊の花、または季節のあしらいなどで美しく盛り合わせたものを「お造り」というとしっくりきますよね。
元々の意味は「忌み言葉」を避けた表現ともされていましたが、現代の解釈では「盛り方を造り込む」という意味も少なからずあるような気がします。
確かに「お造り」というと少し高級なお店で、美しく盛り付けられたお刺身が思い浮かびます。
お造りをおしゃれな盛り方にするには?
※大葉やつまのあしらい方
お造りをおしゃれな盛り方に仕上げるには、薬味や季節のあしらいを上手に使うのが基本です。
よく使われるのは大葉や大根のつまなどの定番から、穂じそ、木の芽、青柚子やかぼす等の柑橘類などです。
基本の薬味やつまだけでもおしゃれな盛り付けは十分できますが、ニンジンの飾り切りなどで彩りを添えたり、季節によってエディブルフラワーをあしらうのも良いですね。
※高低差と色のコントラストが重要
お造りは、高低差を付けることで立体感が出ておしゃれに見えます。
お皿の奥の方は大根のつまをこんもりと盛ることで高さを出し、手前側は低めに盛り付けます。
お刺身の種類ごとに大葉で仕切りながら、それぞれ違う高さとなる盛り方をするだけで見栄えが出ます。
同様に、色のコントラストも重要です。
大葉の緑と大根の白、お刺身の色だけでも対比となりますが、数種類のお刺身を盛る場合は同系色を隣り合わせないようにします。
まぐろの赤身の隣にはイカや鯛を配置し、その隣にサーモンといったように色を意識するのも盛り方の基本です。
お刺身と大葉、つまに加えてあしらいを添えることで、華やかでおしゃれなお造りとなります。
お造りの盛り方のコツ【まとめ】
お造りとお刺身の違いは、もともと東西の言葉の違いでしたが、現代では少しかしこまった席で食するのがお造り、というイメージで使われています。
お造りは高級店で食べるもの、と思いがちですが、ご家庭でも盛り方の基本さえ押さえれば、きれいに盛られたお造りが作れます。
まずは、大根のつまをこんもり盛ることで高さを出し、種類ごとの高低差を作ることです。
次に色のコントラストを意識することで、同系色の色は隣り合わせず反対色を合わせます。
基本の薬味やつまを活用しながら、季節ごとに彩りを添えれば完璧です。
お家でお祝い事がある時や、来客時におしゃれに盛られたお造りが出てくると、場も華やぐので是非試してみてくださいね。