豚しゃぶを食べる時、どのくらい「しゃぶしゃぶ」していますか?
豚肉を生で食べると寄生虫や食中毒菌、E型肝炎ウイルスなどに感染する恐れがあります。
「何分くらい加熱したら安全に食べられるの?」
そんな疑問にお答えします。
豚肉を安全に食べるための茹で方は、中心温度63℃で30分間以上、もしくは75度以上で1分程度が目安です。一気にたくさんお肉を入れると温度が下がるので、少量ずつ入れましょう。
「しゃぶしゃぶには長すぎる!」
そう思いますよね!
基準と言っても、茹で方によって実際の加熱時間は変わります。
1分以下でも大丈夫と保障するわけにはいきませんが、しゃぶしゃぶにする場合は沸騰している鍋に入れて、しっかり全体が白くなればそれでOKです。
豚しゃぶの加熱時間は何分?安全な茹で方は?
豚肉を安全に食べる加熱時間の基準は、厚生労働省によれば、「肉の中心部の温度を63℃で30分間以上加熱するか、これと同等程度の殺菌効果がある方法で加熱殺菌しなければならない」とあります。
「30分間なんて無理!」
そう思いますよね。
でも大丈夫!これは63℃での加熱時間です。加熱温度が上がれば、加熱時間も短くなります。例えば、75℃で加熱する場合は1分で大丈夫。
お肉の厚みや出汁の温度にもよるので、「何分でOK!」と保証することはできませんが、豚肉全体がしっかり白くなれば、加熱時間の基準と同等程度の殺菌効果がある加熱がなされたと考えて良いでしょう。
*加熱時間を守るだけじゃない!茹で方にも注意!
一度にたくさんの豚肉を鍋に入れてしまうと、鍋の中の温度が下がってしまいます。
その結果、初めの内に入れた豚肉はすぐに白くなっているが、最後のほうに入れた豚肉はまだ生のままという状態になります。この状態で白くなっているから大丈夫と思って食べてしまうと、「生肉と同じ液体」に浸ったお肉を食べることになり、食中毒感染リスクが非常に高くなります。
豚しゃぶをする際は鍋の温度が下がらないように少量ずつお肉を入れ、都度しっかり白くなるまで加熱しましょう。
豚肉の生食はなぜ危険なの?
生の豚肉には、食中毒菌の他に、寄生虫やE型肝炎ウイルスなどが潜んでいる可能性があります。加熱が不十分だとこれらに感染してしまう恐れがあるので、絶対に生で食べてはいけません。
特にE型肝炎ウイルスの感染では急性の肝炎が起こり、非常に危険です。妊婦や高齢者などは命の危険もありますので、加熱はしっかり行いましょう。
*豚肉を生で食べる方法
豚肉は絶対に生で食べてはいけません。
しかし、そんな豚肉を生で食べる料理もあります。ご存じ「生ハム」です。生ハムは豚肉を塩漬けし、非加熱のまま長期間熟成したものです。
生ハムが生で食べられるのは、塩分を濃くして殺菌し、さらに数か月から数年熟成することによって食中毒を引き起こす細菌やウイルスを失活させているからです。
「生ハムがあるくらいなんだから豚肉も生でいける!」と思ってしまわないように注意しましょう。
生ハムは非加熱で食べられますが、妊娠中の方や免疫力が落ちている方は避けたほうが良いです。
加熱時間以外で気を付けるポイント
豚肉の安全な茹で方で重要なポイントは加熱時間だけではありません!
器具や手指を介しての二次感染にも注意しましょう!
生の豚肉に触った箸でそのままご飯を食べたり、生肉のトレイに触ってからよく手を洗わずにサラダを盛り付けたり、二次感染は気付かずにやってしまうようなことでおこります。
トングや箸は生肉専用のものを用意し、調理時は生肉やその器に触ったら必ず手洗いと消毒をしましょう。
豚しゃぶの適切な加熱時間は何分?【まとめ 】
「豚しゃぶは何分茹でればいいの?」という疑問についてまとめました。
豚肉の加熱時間は、中心温度が63℃で30分間加熱するのが安全な茹で方の1つの基準です。
これと同等程度の殺菌効果のある加熱方法であれば、安全に食べることができます。加熱温度を上げて75℃にするならば1分間で大丈夫です。
豚しゃぶの場合、具体的に何分以下でよいと保証することはできませんが、豚肉全体が白くなったら十分に加熱できたと考えて良いでしょう。
ただし、お肉を一気に鍋に入れてしまうのは危険です。豚しゃぶは少量ずつお肉を入れ、都度しっかり加熱するという茹で方をするようにしましょう。
豚肉を生で食べると食中毒菌や寄生虫、E型肝炎ウイルスに感染する可能性があります。二次感染にも注意して、安全でおいしい豚しゃぶを作りましょう。