海苔って何からできてるの?原料と海苔の種類について解説!
私たちが当たり前のように食べている海苔ですが、何からできてるのか、原料が何か考えたことってあまりないですよね。
当然ながら四角い海苔の状態で海に生えているわけではなく、海藻を人の手で加工したものです。
そして、海苔の原料となる海藻は1種類ではありません。
Wikipediaによると、海苔とは「食用とする海藻の総称」とあるように、かなりざっくりとした定義です。
緑藻(りょくそう)、紅藻(こうそう)などの藻類(そうるい)が海苔の原料ですが、どんな色や形をしているのか今一つピンと来ないですよね。
この記事では、海苔が何からできてるのか、どんな種類の海藻を使ってどのように作られるのかを解説していきたいと思います。
海苔の原料となる主な海藻
※アサクサノリ
アサクサノリ、漢字で書くと「浅草海苔」です。こうしてみると浅草が産地かと思ってしまいますよね。
あながち間違ってはおらず、江戸湾で養殖されていた海苔を浅草で加工していたのが由来とされています(諸説あります)。
ちなみに、海苔の原料となる海藻は長さ約15cmの薄い葉状で、牡蠣などの貝殻に付着して成長します。
アサクサノリは味が良く盛んに養殖されていましたが、水質汚染や病気に弱く、1960年頃から衰退してしまいましたが、現在は千葉県の木更津や、有明海などで細々と養殖されています。
今では希少な海苔なので、かなり高価になっていると思われます。
※スサビノリ
育てにくいアサクサノリに代わって海苔の原料になったのが「スサビノリ」です。スサビノリは丈夫で繁殖力が強く、さらに香りも良いので広く使われるようになりました。
一般的な板海苔はもちろん、生海苔、海苔佃煮などにも加工されています。
普段私たちが食べている海苔も、殆どがスサビノリから作られています。
※ウップルイノリ
耳慣れない名前のウップルイノリですが、「ウップルイ」とは語感からも想像できるようにアイヌ語が語源になっている、島根県出雲地方の「十六島(うっぷるい)」で採れる海藻です。
貝殻ではなく岩に付くので「岩海苔」といわれ、香りが高く美味で、わずかしか流通していません。
もちろんこの3種は主なもので、他にも原料となる海藻はあります。
海苔と青海苔
これまで紹介してきたのは、普段食べている板海苔の原料でした。
ところで、お好み焼きやたこ焼き、焼きそばに欠かせない「青海苔」は何からできてるのでしょうか。
鮮やかな緑色が特徴の青海苔ですが、緑藻に分類される「スジアオノリ」や「ウスバアオノリ」「ヒトエグサ」などが使用されています。
青海苔は四角く成形するのではなく、乾燥した後に粉砕して作られます。
海苔はどのように作られる?
海苔が何からできてるか分かってきたところで、海苔がどのように作られるか解説していきます。
現在では主に「スサビノリ」が海苔の原料となっていますが、海藻の一枚一枚は薄くぺらぺらした見た目です。
海苔をよく見るとわかりますが、薄く細かい海藻の集合体といった印象を受けませんか?
まさにその通りで、原料となる海藻を水洗いし、細かく裁断されて和紙を漉くようにして板海苔の形に成形します。
そのまま板の上で乾燥させて海苔が出来上がります。昔は手作業で一つ一つ作られていましたが、今は殆ど機械で大量生産されています。
海苔は何からできてる?【まとめ】
普段何気なく食べている海苔ですが、何からできてるかを考えたことはあまりなかったかと思います。
海苔の原料にはいろいろな海藻が使われ、総称して「海苔」と呼ばれます。
以前はアサクサノリが盛んに養殖されていましたが、丈夫で大量生産できるスサビノリが主に使用されています。
長さ15cmほどのごく薄い海藻を採取して洗浄し、紙を漉くように薄く成形し、乾燥させて板海苔になります。
また、青海苔は緑色の緑藻から作られ、乾燥した後粉砕して作られます。
普段は四角く成形された海苔として販売されているため、何からできてるのか、どうやって作られるのかを考える機会はあまりないかも知れません。
今は機械化されていますが、海苔1枚が人の手をかけて作られていることを思うと、より味わい深くなるかもしれないですね。