醤油にはなぜ「油」の文字が入ってるの?由来を詳しく解説!

「醤油」という字を見ると「油」という文字が使われていて、何気なく使っていますが、なぜなのでしょうか。

原材料を確認しても、油とは書かれていないですよね。

普段気にしないで使っている言葉ですが、気になると由来を知りたくなるものです。

子どもから質問されて、なぜだか答えられず困る前に、少々お付き合いください。

まずは醤油を「醤」と「油」の2文字に分解してみましょう。

醤の字は「ひしお」と読み、大豆を原料として作られた発酵調味料のことで、現在の味噌に近いものとされています。

味噌、つまり「醤」からしみ出した液体が油のようだということで「油」の字を当てたとされています。

醤油には油は入っていませんが、由来を紐解いていくと面白いものですよね。

この記事では、醤油の語源や由来について詳しく解説していきたいと思います。

醤油の語源

※「醤(ひしお)」とは

醤油の「醤」の字は元々「ひしお」といって、太古の調味料がそのまま名前として残った形です。

古代の中国において、食材を塩漬けにして発酵させたものを調味料として用いていたのが由来とされ、はじめは肉や魚を発酵させた「肉醤(ししびしお)」「魚醤(うおびしお・ぎょしょう)」が食べられていました。

「魚醤」は今も秋田名物で知られる「しょっつる(塩魚汁)」として存在します。

食文化や農業の発達により、醤の原料は肉、魚から次第に大豆へと変化していきました。

※日本にも醤が伝来

醤の原料が動物性素材から大豆や穀物が主流となり、「穀醤(こくびしお)」が生まれました。

日本にも中国から伝わり、最古の「醤」の記録は飛鳥時代に遡るといわれています。

我が国でも盛んに醤が作られましたが、当時の醤はどろどろしたものだったようで、味噌と醤油の間のようなものと想像します。

味噌と醤油の由来

※大豆を発酵させるとどうなる?

大豆を蒸してつぶし、米麹と塩を加えて容器に入れて寝かせておくと、発酵が始まり数ヶ月後には白っぽい色から茶色へと変化します。

これは大豆と米麹が発酵したことにより生成された「味噌」です。

味噌を手作りした経験のある方なら目にしたことがあるかも知れませんが、出来上がってきた味噌の上部になぜか水分が浮いていたりしませんか?

※なぜ「油」という字を使うのか

味噌を作った時に上部にしみ出してきた水分、これが醤油の原形になる「溜まり」と呼ばれるものです。

「溜まり」というと連想するのが「たまり醤油」ですが、まさに味噌から生まれたのがたまり醤油です。

味噌玉(味噌の生地を丸めたもの)を寝かせ、しみ出してきた「溜まり」を味噌玉にかけて、さらに熟成することによって濃厚でコクのあるたまり醤油が生まれます。

その「溜まり」を、油がしみ出したように見えたことから、「醤(ひしお)の油」、つまり醤油と呼ぶようになったといわれています。

油が入っているからではなく、油のように見えたから、が正しい由来です。

醤油になぜ「油」の文字が入っているか、謎は解けたでしょうか?

醤油はなぜ油と書くの?【まとめ】

普段何気なく使っている醤油ですが、油という字が入っているのはなぜだろう?油が入っているの?という疑問を抱くこともありがちですし、子どもに「なぜ?」と質問されるかも知れません。

醤油には油は入っておらず、醤油の元になる「醤(ひしお)」が発酵熟成する過程で液体がしみ出す様子が油のように見えたのが由来です。

味噌を手作りした経験のある方なら、その様子を目にしたことがあるかも知れません。

日本では飛鳥時代に最古の記録がある「醤」と、発酵する様子に当てた文字「油」が現在も使われているというのは凄いことですよね。

毎日目にする何気ないモノの由来について、お子さんと一緒に話し合ってみるのも良いですよね。

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