スーパーには色々なお醤油が並んでいますが、減塩醤油が最近増えてきたように思います。
健康志向や生活習慣病対策として、減塩が求められているのはご存知の通りですよね。
厚生労働省が定める日本人の塩分摂取目標量は、成人男性が7.5gで成人女性が6.5gとされていますが、実際はかなりオーバーしているようです。
塩分を気にするために減塩醤油を使っているという方も多いと思いますが、意外に身体に良くないとも言われています。
1つは「添加物などの混ぜ物」2つ目は「塩化カリウムの弊害」そして3つ目は「減塩だと安心して摂り過ぎる」といった3つのデメリットについて詳しく解説していきます。
減塩醤油とは?どうやって作られる?
※食塩相当量20%以上減らしたもの
一般的な濃口醬油の食塩相当量は大さじ1あたり2.5gほどあります。
減塩醤油は食塩相当量を通常の醤油と比べて20%以上減らしたものという決まりがあり、メーカーによって様々な工夫がされています。
一般的には大さじ1あたり1.4g前後のものが多いですが、中には食塩相当量を50%カットしたものもあります。
※「脱塩法」と「希釈法」
減塩醤油の主な製法には「脱塩法」と「希釈法」があります。
脱塩法はイオン交換膜でしょうゆから塩だけを取り除く方法で、海水から塩を作る方法と同じです。
希釈法はしょうゆを薄めることによって塩分濃度を下げるシンプルな方法です。
※塩化ナトリウムを塩化カリウムに置き換える
もう1つ、塩化ナトリウムを塩化カリウムに一部置き換えて減塩醤油を作る方法もあります。
減塩醤油だけでなく、減塩の塩(文字にすると違和感がありますが)にも活用されている方法で、ナトリウムを半分近くまで減らすことが可能です。
減塩醤油のデメリットとは?
※混ぜ物がある
減塩醤油にはいろいろな製法があり、通常の醤油と原材料が変わらないものもありますが、中には混ぜ物をした商品もあります。
たとえば醸造酢、みりん、砂糖、水あめ、酸味料、調味料(アミノ酸)といったものです。
塩気が少ないことで醤油のうまみが減り、それを補うために調味料や添加物が混ぜられていることもあるので、塩分を減らしたつもりが砂糖を余分に摂っていたということもあり得ます。
とはいえデメリットばかりではなく、かつおや昆布などの出汁やうまみを加えることで上手に塩分を抑えた商品もあります。
出汁のうまみを生かした減塩醤油や、無添加のものを探すこともおすすめです。
※塩化カリウムの弊害
塩化ナトリウムを塩化カリウムに変えれば問題ない、と思われますが、意外なデメリットもあります。
塩化カリウムは確かにしょっぱさを感じますが、ミネラル分の苦みのような味も同時にあります。
そのため味が落ちることと、腎臓疾患のある方には「高カリウム血症」を引き起こす危険があり、意外なデメリットとなっています。
カリウムは体内のナトリウムを排出する働きがあるため、減塩に役立ちそうですが、腎機能に問題がない場合に限ります。
通常、腎臓病のある方は医師からカリウムを控えるように指導されていますので、醤油選びに困った際には医師や保健師の判断を仰ぐことをおすすめします。
※摂り過ぎに注意
減塩醤油は商品にもよりますが、中には食塩相当量を半分近くまで減らしたものもあります。
でも、こんなことを考える人はいませんか?
「塩分量が半分だから、2倍使ってもいい!」
塩分を控えるように言われている人がやりがちですが、減塩タイプだからといってお刺身にひたひたに醤油をつける生活に逆戻りしてしまったら、逆にデメリットになりかねません。
減塩醤油を使いながら、使う量もコントロールできれば理想です。
減塩醤油のデメリット【まとめ】
塩分の摂取を減らすために減塩醤油を選ぶ方も多いと思いますが、その製法やデメリットについても解説してきました。
減塩醤油は出来上がった醤油から塩を抜く「脱塩法」、しょうゆに混ぜ物をして薄める「希釈法」、そして塩化ナトリウムの代わりに一部を塩化カリウムに置き換えることでナトリウムを減らす方法があります。
主なデメリットとしては、①添加物の心配、②塩化カリウムの弊害、③使い過ぎ、の3つがあります。
無添加の減塩醤油も市販されていますし、腎臓病のある方は専門家に相談することをおすすめします。
また、減塩だからと使いすぎるのは禁物です。
店頭の表示や商品説明などを見ながら、賢い減塩醤油選びをしていきましょう。