ざるそばの美味しい食べ方は?すする音はマナー違反なの?
ざるそばは日本人にとって身近なメニューですよね。暑くて食欲のない時でもさっぱり食べられますし、具材を殆ど使用しない分、サイドメニューの幅も広いです。
ざるそばにはネギやわさびなどの薬味がつきもので、元々は傷みやすい生そばを雑菌の繁殖から守るためのものでした。
冷蔵技術の発達した現代では、より美味しく食べるために添えられているといえます。
また、そばは豪快にすすって食べた方が美味しいともいわれていますが、外国人から顰蹙を買ったり、最近ではそばなどの麺類をすする音が不快だという声も上がったりもしています。
この記事では、ざるそばの美味しい食べ方について、薬味の役割とすする音の是非について2方向から考えていきたいと思います。
Contents
ざるそばには何故薬味が付くの?
※そばが傷むのを防ぐ役割
ざるそばには、ネギやわさびなどの薬味が欠かせませんよね。
ネギの香味とさわやかな辛さ、わさびのツンとくる辛さはそばの香りと相まって良いアクセントになります。七味唐辛子の辛さもピリッときいて食が進みます。
そばとの相性はもちろんですが、薬味の持つ意味は元来違うところにありました。
乾麺のそばは長期保存ができる食品ですが、打ち立てのそばは生ものなので非常に傷みやすいものです。
そばは江戸時代に庶民の間でも広まりましたが、当時は冷蔵保存の技術に乏しいため、殺菌作用のある薬味が必要でした。
ネギには殺菌、解毒作用、わさびには殺菌作用があるため、そばには欠かせない薬味でした。
薬味の持つ意味は多々ありますが、その中でも「毒消しや防腐作用」が特に重要だったことが分かります。
※そばに味わいを添える
現代では冷蔵技術も進歩して、生そばを安心して食べることができます。
毒消しとしての役割があった薬味は、そばの美味しい食べ方として残ることになりました。
香味野菜の青みは見た目にも美しく、食欲をそそります。
また、定番のネギやわさびの他にも大根おろしやみょうが、刻んだ大葉などもざるそばによく合い、そばに味わいを添えています。
ざるそばをすするのはマナー違反か?
※そばをすするのは「粋」だった
ざるそばなどの麺類は、すすって食べるのが美味しい、といわれてきました。
しかし最近では「すする音が下品」といわれることも多くなってきています。
特に外国人観光客にとっては、カウンターでそばを大きな音で思い切りすする日本人を見てカルチャーショックを受けるのもわかる気がします。
諸説ありますが、そばを粋に食べる作法というものがあります。
そばの香りはとても繊細ですぐに飛んでしまうため、口に運んだらひと息にすすって、鼻から抜ける香りを楽しむ食べ方です。
特に関東のつゆは濃いので、たぐったそば全体を浸さずにちょっとだけつけて、香りが抜けないうちにすするのが粋とされていたようです。
このことから日本では、ざるそばをはじめとした麺類をすすって食べるのはマナー違反とされていませんでした。
※マナー違反とする風潮
ところで、日本では食事の際に音を立てないのがマナーとされているのに、なぜそばだけは例外なのか、と議論されることもあります。
上記で触れたことから例外扱いとされているのが慣例ですが、近頃ではすする音を不快として「ヌードルハラスメント」なる言葉も出てきています。
外国人から見ると異様な光景なのかも知れませんし、あまりに大きな音ですすっている姿を見るとちょっと引いてしまうことがあるのも確かです。
こればかりは価値観の相違になってしまうので、どちらが正しいかはなんとも言えません。
すする音を不快に思う方もいるということを頭の隅に置いた上で、そばの香りを最大限に楽しむ文化であり美味しい食べ方とされてきたことを理解することが大切なのかも知れません。
ざるそばの美味しい食べ方は?【まとめ】
ざるそばの美味しい食べ方として、薬味がもつ役割があります。
主なものではネギ、わさびの他に七味唐辛子や大根おろし、ミョウガなどもよく使われます。
薬味はもともと、冷蔵できなかった時代の生そばを菌の繁殖から守る殺菌作用や解毒作用を目的として使用されてきました。
同時にそばの味を引き立てる美味しい食べ方として今も残っています。
そばの美味しい食べ方といえば、すする音の是非についても最近は議論がされていて、豪快にすするから美味しいVSすする音が不快だ、と意見が分かれています。
日本では音を立てずに食べるのがマナーですが、そばだけは例外とされてきた歴史も理解しつつ、他人が不快に思う可能性もあることを心に留めておく、といったところでしょうか。