圧力鍋を使うとなぜ柔らかくなる?原理と理由を徹底解説!
圧力鍋を使って調理すると短い時間食材が柔らかくなります。
では、なぜ普通の鍋と違って短い時間で柔らかくなるのか気になりますね。その原理と理由をここでトリセツとして紹介。
まず、そもそも圧力鍋を使うとなぜ「煮る・炊く・蒸す」などが時短料理可能になるかというと、圧力鍋内で発生する水蒸気を鍋の中に閉じ込めることにより蒸気が逃げず沸点を上げて高温で調理するこが可能になるからです。
水の沸点は気圧によって変化が起きます。
気圧が低いと沸点が下がる=低い温度で水が沸騰する。これの逆をついたのが圧力鍋です。
気圧を高くし水の沸点も上がる=高い温度で水が沸騰する→これが高温調理を可能にする圧力鍋の原理となります。
※沸点とは単純に液体が沸騰する際の温度のことです。
Contents
圧力鍋を使うとなぜ柔らかくなるのか?
そもそも圧力鍋っていつ誕生したのか?
1917年に今の圧力鍋の原型となる「自動密閉鍋」が作られました。
そして、1953年にセブ社(ティファール)が世界で初めて家庭用圧力鍋を販売開始しました。ちなみに日本では1976年に理研にて圧力鍋が正式に販売されました。
圧力鍋の原理は「富士山の頂上」?
前述させていただきましたが、圧力鍋は水蒸気を閉じ込めて高温調理することによって時短調理が可能になります。
水の沸点は100度で沸騰します。これは平地での沸点です。
では、平地以外での沸点は変化するのか疑問が出ます。答えは「変化します」。富士山の頂上での沸点はなんと約85度前後です。
これは水の温度が85度以上にはならないということなので、それ以上の高温調理が出来ません。
では、なぜ富士山の頂上では沸騰温度が85度以上にならないかというとそれには「気圧」が関係しています。
気圧の低い富士山頂上では水の沸点が下がるかというと空気の重さが減り水面にかかる圧力が減るので水が蒸発しやすくなるからです。
圧力鍋はこの原理を使って、空気(水蒸気)を逃がさない構造にすれば沸点は高くなり高温調理が可能となるのでその結果、食材が短い時間で柔らかくなることができます。
圧力鍋でなぜ骨まで柔らかくなるのか?
圧力鍋を使えば圧倒的に時短調理が可能となり、普段は硬くて残すような魚の骨も柔らかくなり骨まで美味しく食べることが可能となります。
では、どうして骨まで柔らかくなるのか?そこには骨の構造や仕組みが圧力鍋によって効果が得られやすくなります。
骨の構造は骨組みとなる内側にコラーゲンがあり、それをカルシウムが外側を覆うっています。カルシウムが不足すると、覆っている外側がもろくなり足の骨折などの原因となります。
圧力鍋の高温高圧調理によって
②骨の組織が崩れる
だから、硬い骨もほろほろに柔らかくなります。
日本人の大人が1日に摂取するべきカルシウム量は600㎎と定められています。魚の骨まで摂取できるようになれば、1日に必要なカルシウム量をおおまか賄えることが可能となります。
例えば、いわしの丸干し300㎎、さば水煮缶200㎎、どじょう丸ごとには935㎎も含まれているとされています。
魚を丸ごと楽しむには、魚の骨が喉に刺さってしまう危険性があり、骨は除く方が多いと思います。
しかし、圧力鍋を使うことによって魚の骨まで美味しく食べられることができるのなら一日に摂取したいカルシウム量は容易になることは間違いなしです。
圧力鍋を使って実際に魚の煮付けを調理
圧力鍋で実際に魚の煮付けを調理してみました。調理してみたのは「ぶり大根」
ぶりのあらと大根だけで最高のぶり大根に仕上げるために活躍するのが圧力鍋。ぶりの骨まで美味しく食べるためには圧力鍋で加圧時間は弱火で25分。
火を止めて圧が収まったら自然放置。圧力鍋の加圧によって、骨まで味の染みたぶり大根が完成いたしました。
骨まで美味しく食べることはなかなか調理するには大変な手間がかかります。しかし、圧力鍋を使えば加圧するだけで骨まで味の染みた料理が可能となります。圧力鍋を使って硬い食材もほろほろになり、食材丸ごとを美味しく食べられます。
圧力鍋はなぜ柔らかくなる?【まとめ】
圧力鍋を使うとなぜ柔らかくなるのか、その原理についてはいかがでしたでしょうか。
なぜ時短調理が可能なのか、それには水蒸気がポイントとなります。
水蒸気を逃さないことで鍋内部の温度が高くなり、沸点も上がるので高温で高圧の調理ができ、結果時短調理が可能となります。
骨まで柔らかくなるのも、高温高圧調理によって内側のコラーゲン組織が壊れそこからコラーゲンを覆っているカルシムにひびが入り、骨の強度が保てなくほろほろに柔らかくなります。
圧力鍋を使って、硬い食材も柔らかくすることができるようになり料理の幅が広がります。小さいお子様からお年寄りまでカルシウム補給に魚の骨まで食べられる料理はぜひ圧力鍋を使ってみてはいかがでしょうか。