食をするとき、香りはとても大切なものです。
鮭は、鮭蒸しにしても、焼鮭にしてもおいしいものですが、鮭を美味しく食べるには、購入後すぐの臭み取りがポイントです。
鮭は臭み取りが必要ない、と思っている人も多いと思います。でも、生の魚である以上、臭みは出ます。
鮭はトリメチルアミンという成分、また血液臭などが臭みを出しています。
鮭の臭み取りの方法は複数ありますが、どれが自分に一番合っているか、一つずつ試すのもいいでしょう。
鮭はなぜ臭みが出るの?
臭みが出る理由で、まず代表的なのはトリメチルアミン(TMA)です。
これは、もともと内臓、血肉にあるのですが、魚が息絶えたことにより、魚に付着していた微生物が増殖し、トリメチルアミンという成分に変わります。
この、トリメチルアミンが魚の生臭い臭いの元となります。
ですので、生きている魚、また息絶えて間もない新鮮な魚は比較的生臭い臭いはしません。
そして、トリメチルアミンは時間の経過とともにトリメチルアミンオキサイドという鮭の旨み成分に分解されていきます。
また、血液です。魚はさばくとパックに入れられますが、時間がたつと血液が垂れてきてしまいます。それを洗わずに料理することで、出来上がりに臭みがでます。
また、一度冷凍したものを解凍し、店頭に出すと、パックから出したときにどうしても、ぬめりがでます。これをお湯などで取らずに料理すると、生臭い料理になってしまいます。
では、鮭に有効な臭み取りの方法を見ていきましょう。
鮭の臭み取り方法
酒を使う場合
酒の場合は、まず使用する酒に注意しましょう。糖分や酸味料を含まない、安いお酒で臭み取りをするのがポイントです。また、白ワインでも代用可能です。
そして、酒での臭み取りの場合は臭み取りをするのと同時に、鮭の旨味や香りを引き出してくれる効果もあります。また、身をふっくらとさせてくれます。
方法としては、まず鮭に塩をまぶし、お酒に浸します。10分ほどしたら、水で洗い流しキッチンペーパーで水分を拭き取ります。
お料理は煮魚、うしお汁が適しています。
牛乳を使う方法
牛乳の場合は牛乳に含まれる、ガゼインという成分がトリメチルアミンの成分を防ぐ働きをしてくれます。また、牛乳のタンパク質や脂質はトリメチルアミンを吸収する作用もあります。
牛乳での臭み取りはまず、水気を切った魚をボウルに入れて、牛乳に浸します。常温で30分~1時間ほど置いたら水ですすぎ、キッチンペーパーで水気をとります。
この場合、できあがった鮭はほとんど無臭に近く、シンプルな味付けの料理、または洋食に適しています。例えば、ムニエルやソテーです。
お湯を使う方法
50℃前後のお湯でぬめりを落とすと、臭みが取れます。
熱湯ですると、身が固くなってしまうので気を付けなければいけません。
一旦、お湯をかけたばかりのときは身の色が白くなりますが、すぐに赤色に戻ります。
お料理は刺身、干物での臭み取りに適しています。
鮭の臭み取りの方法とは?【まとめ】
鮭には息絶えることによって増殖する成分、トリメチルアミンというものがあります。
臭み取りの方法はたくさんあって、酒、牛乳、お湯などのほかにも、トリメチルアミンがアルカリ性だということにより、酸性の酢に浸す方法などもあります。
酢は臭みのついた食器や手などに少しつけることによって、鮭の生臭い臭いを消すこともできます。
また、トリメチルアミンの増殖、細菌の増殖などによって臭みは出ますが、温かい環境がその増殖をより速めます。
よって、温度の低い場所などに置いておく、または冷蔵庫での保存を心がけましょう。
また、様々な臭み取りの方法がありますが、それぞれ適している料理があります。
その料理によって、臭み取りの方法を選ぶといいでしょう。