海老フライの下ごしらえ講座✦下処理で冷凍エビの臭みを取る!

今や、冷凍食品は欠かせない世の中ですね。私も普段からお世話になっております。あなたも同じなのでは?

しかし裏をかえすと、昔に比べて料理を一から作ることが少なくなったことも事実ではないでしょうか。温めるだけ・揚げるだけなど、便利な食品があふれていますから、無理もありません。

なので、○○は作るのが難しい・作ったことが無いなんていうケースは往々にしてあります。

ここで取り上げる海老フライも、その中の1つ。

一から作ると、実は意外と難しい(汗)

今回は、知っているようで知らない、冷凍無頭エビの下処理・下ごしらえの方法をご紹介します。中でも最も重要なポイントは、下処理で臭みを取り除く工程です。

では、解説していきましょう。

美味しい海老フライが出来るまで

海老フライが失敗する原因は、主に大きく2つ。

>>下処理が不十分のため、臭みの原因を取り切れていない
>>>下ごしらえが行き届いていない

これらの要因が、

『味がイマイチ…、ん~、生臭みがあるというか…。』(凹)

『水っぽい、ベチャついてる…。』(⤵)

『揚げていたら、爆発!』(恐)

といった状況をうんでしまい、イマイチな海老フライにたどり着いてしまうという訳です。よって、失敗する2つの要因を改善できれば、美味しい手作り海老フライを作れます。

海老フライの下ごしらえの方法

1)冷凍エビの解凍

⇒まず、塩水を用意します。塩水の分量目安は、【水・500㎖:塩・大さじ1杯】=3%濃度程度=海水くらいの濃度なので、なめると“しょっっっっっぱい”です。

塩をしっかり混ぜ溶かした塩水に、凍ったままの海老を15分程度漬けて解凍します。こうすることで、海老の持つ旨味や水分が流れてしまうのを防ぎつつ解凍できるので、海老の美味しさとプリっとした食感を味わうことが出来ます。

※冷凍の海老なら、種類に関係なく活用可能です。

2)殻むき

⇒尾を残して殻をむきます。この時、尾の殻まで外してしまわないよう気を配ってみましょう。続いては、まな板の上での作業。尾を揃えて寝かせて、≪ケン≫を切り落とします(左右の尾の間にある、トゲみたいヤツ)。次に、尾の先端部の形状に合わせて、斜めに少しだけ切り落とします。

この状態で、尾の中には汚れや水分が残っているので、これを取り除きます。尾を開いてまな板に置きなおし、包丁を使い切り落とした尾の先端部に向かってしごきます。これで、『揚げている最中の爆発』を防ぐことが出来ます。

※冷蔵の殻付き海老を使用するの場合、この殻むきの工程から始まりとなる。

3)汚れを落とす

⇒海老の汚れを丁寧に落とします。まず、海老の背中に入っている≪わた≫を取り除きます(臭みの素のひとつ。背中の内側にそって、黒っぽい筋状に通っているヤツ)。≪わた≫は、竹串やつまようじをつかって、引き抜くようにしてあげると綺麗に取ることが出来ます。

続いて、ボールに海老と塩を入れ、よくもみます。黒っぽい水分が出てきたら、そこへ片栗粉をまぶして、絡めます。この黒い水分が、臭みの原因のひとつである汚れです(この時点で、結構汚れが出てきます。引く程、汚いです)。

汚れと片栗粉が絡んだら、ザル・ボールを使い、水で洗い流します。

*塩・片栗粉の役割
・塩⇒汚れ落とし
・片栗粉⇒汚れに吸着し、汚れを落としやすくする

*塩・片栗粉の分量
・海老500gに対して、おおよその分量目安
【 塩・大さじ1:片栗粉・大さじ3 】

海老フライの下ごしらえ

1)酒を振り、水分を取る

⇒海老の水を切ったら、軽く酒をまぶして5分~10分程度置きます。漬け込み終わった海老は、ペーパータオルで水分を取りましょう。

*酒の役割
・臭みを取る
・海老の触感を良くする
・殺菌

*酒の分量
・海老500gに対して、おおよその分量目安
【 酒・大さじ2 】

2)海老を伸ばす

⇒水気を取った海老を、お腹側を上にしてまな板に置きます。背中が丸まったままなので、手と包丁で優しく補助をして、開いた状態をキープしてあげてください。そのまま、海老のお腹側に3~5か所程度、斜めに切り込みを入れます(筋切り)。

今度は、背中側を上にしてまな板の上に置きなおします。両指で触ったときに、固い部分と柔らかい部分があるのがわかると思います。その、“固い部分“を量指でつまみ、手首を少し内側に捻るような動作をしながら、まな板に向かって下方向へ静かに力を加えてください(海老をのす)。

すると、“ぶりっ”“ぼりっ”“ぶちっ”的な音がします。筋が切れた証拠です。同じ作業を3~5か所程度行ってみてください。全体的に触ってみて、固い部分が無いようであれば問題ありません。仕込んだ順にペーパータオルをしいたバットなどに並べていきしょう。

このとき、包丁の切り込みが深すぎたり、強すぎる力でのすと、海老が切れてしまうのでご注意ください。

この、“筋切り~のし“の作業を丁寧に行うと、揚げた時に海老フライが丸まるのを防ぐことが出来ます。

3)衣を付ける

衣付けは、シンプルに【 薄力粉 ⇒ とき卵 ⇒ パン粉 】の順で。卵が無ければ代わりに【バッター液】でもいいです。

パン粉は、海老を潰さないように、且つ衣がしっかり付くようにするのがポイントです。バットの中のパン粉で包み込んであげるようにし(“枯葉でかくれんぼ”的なイメージ)、手でパン粉ごと圧をかけてあげると、まんべんなくパン粉がつきます。

*バッター液
・卵の代わりの接着剤役です。
【 水:薄力粉 = 1:1 】の割合で用意し、薄力粉に少しずつ水を加えながら混ぜます。この時、泡だて器で勢いよく混ぜてしまうと、薄力粉の粘りが出てしまうので注意が必要です。泡だて器で薄力粉と水を上から叩く方法や、菜箸で優しく混ぜる方法などを取りましょう。

♬ここまでくれば、もう一息!美味しい海老フライが目の前に見えてきていますよ♪

揚げる

170°~180°の油で3分前後揚げると完成です。家庭用の調理器具だと、どうしても火力に限界があるので、一度にたくさんは入れないでくださいね。でないと、丹精込めて下処理・下ごしらえをしてきた海老フライ達が、油まみれのべちゃべちゃ海老フライになってしまいます。

目安としては、家庭の機器なら5本程度がいい所だと感じます。海老フライ達が沈んだままだったり、油のはね具合が静かに感じたら、入れ過ぎだと思ってください。

揚がった海老フライは、寝かせずに立てた状態で油切りをしましょう(海老フライが寝ていると、出た油をまた吸い込みます)。

海老フライの下ごしらえの方法【まとめ】

いかがでしたでしょうか。

さて、今回の手順を振り返ってみましょう。

1⃣下処理
1)冷凍エビの解凍・・・塩水を使用
2)殻むき・・・尾の部分の処理も忘れない
3)汚れを落とす・・・背わたとり⇒汚れの洗い落とし⇒臭みの除去

2⃣下ごしらえ
1)酒を振る・水分をとる・・・酒で食感UP
2)海老を伸ばす・・・包丁で腹側、指で背中側を筋切り
3)衣を付ける・・・優しく、丁寧に

3⃣仕上げ
油の中に海老を入れ過ぎない・・・5本程度までで様子をみる

この中で、最も重要なのが、【1⃣下処理】の工程です。冒頭で述べていた通りでしたね。

こうしてみると海老フライも、一から手をかけるとなれば、結構な手間がかかる料理だなあと思わされます。改めて、冷凍食品に感謝(笑)

でも、この海老フライの作り方を自分のものに出来れば、周りのみんなに喜ばれるはずです‼

ぜひ、挑戦してみてくださいね(^_-)-☆

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