家庭で食べるステーキ、切ってから焼くそれとも焼いてから切るのどっちが美味しいの?
肉料理のキング、牛ステーキ!たまには奮発して“the肉”をガッツリ食べたくなる、家族に食べてもらいたいなんて思う時がありますよね?
しかし、専門店で食べるとなると、美味しいでしょうが値ははります。
そこで、お肉を買って食卓に出すとしましょう。高級な霜降り肉を用意出来たら、おそらくですが、いずれにしても柔らかくて美味しいステーキが出来上がると思われます。
しかし、日常性があるかと言われると、正直難しく感じます。。。
そこで、赤身中心のお手頃価格のお肉を用意して調理してみるも、火加減が難しく、“中が完全に生でした⤵“とか、”どうも、お肉がパサパサしてしまう⤵“だったり、あるいは、“食べる時に切るのは面倒“や、”固くて噛み切れなそうだから“ということで、せっかくのステーキ肉を切ってから焼くということを耳にすることがありました。
結論を申し上げます。
牛ステーキは、“一枚のまま焼いてから切る”のが美味しく食べるコツです。
今回は、赤身のお手頃な牛肉を使って、ご家庭でも柔らかくジューシーで美味しいステーキに仕上げられる秘訣をご紹介していきます。
ステーキを切ってから焼くメリット・デメリット
そもそも、ステーキ肉を切ってから焼く場合のメリットとしては、“早く火が通る”、“噛み千切らなくていい“、”一口サイズで食べやすい”や、“食べる時の切る手間が無くていい“だったり、”切ってから焼く方が余計な洗い物が少ない”ということが考えられるでしょうか。
始めに切ってから焼くパターンは、焼いてから切るのと比べて、トータル的な手間が少なく食べやすさもあるように見えます。どちらにせよ、サイコロステーキがあるくらいですから、切ってから焼くことが悪いという訳ではないですよね。
逆に切ってから焼く場合のデメリットに目を向けてみましょう。
早く火が通るため、“焼き過ぎてしまう”ことが考えられます。こうなると、噛み千切る必要がなくとも、“噛んで呑み込めない”となってしまいます。
だいたいの目安として、10代~50代の人は噛む力が強いのでそれほど気にならないかもしれませんが、特に小さい子供達や高齢者にとっては、“噛み切れる”と“噛んで呑み込める”ものでないと食べられないということになります。
そこで、小さく切ってから焼く方法ではなく、焼いてから切る方法で、“噛み切れる”、“噛んで呑み込める”をどちらも両立させたステーキ肉に仕上げる方法が重要となってきます。
子供や高齢者でも食べられるものであるならば、柔らかくて美味しいステーキだ、となりますよね。
ステーキを焼く時の成功と失敗の分かれ道
特に、赤身が多めで安価な外国産のお肉に対しては、「パサパサ・硬い・噛みきれない」というイメージが先行しているのではないでしょうか。
実はこれ、お肉を焼く時の重要ポイントをスルーしてしまっていたことに、気が付かずにいただけなのかもしれません。
“下処理”と“加熱”の重要ポイントをおさえて調理すると、大抵のステーキ肉なら、切ってから焼く方法をとらずとも、“噛み切れる”、“噛んで呑み込める”をどちらも両立させたステーキ肉を、ご家庭でも作ることが出来るのです。
これが成功と失敗の分かれ道となります。
下処理
美味しいステーキを焼き上げるためには、必ず省けない工程です。
大きくは3点です。
ただ焼くのと、この作業を行って焼くのとでは、仕上がりのグレードが全然違うものになります。
肉の性質を理解した上で、手を抜かず丁寧に下処理をしましょう。
加熱
加熱開始から、60℃付近までは温度が高い程、食べやすい柔らかさに近づいていきます。ここから、65℃を超えるとたんぱく質は急激に硬くなるのです。
それと同時に、細胞内から旨味が溶け出して肉の中に広がっていきます。と、ここで加熱をし過ぎると、肉汁(旨味成分)が外に漏れ出てしまい、パサパサした肉になってしまうという訳です。
これらのことから、加熱時のコツを上げてみます。
こちらも大きく3点です。
これらの下処理と加熱時のポイントを、作業手順とともに次の項目で詳しく解説していきます。
失敗しないステーキの焼き方のポイント6つ
冷たいままの肉を焼くと、「表面は焼けたけど中は生焼け」「火を通すのに時間がかかってしまい肉がパサパサになった」などの焼きむらの原因になります。これを防ぐため、焼き始める30分〜1時間前に冷蔵庫から出して、お肉を常温に戻しておきましょう。
肉を加熱すると、肉の繊維質が縮み、形・大きさが変わります。それにより、肉が反り返り上手く焼
けなかったり、口に入れた時に固い筋を感じる原因になります。その為に予防策として、赤身と脂身
の境目にある筋に、2cm間隔を目安に切り込みを入れておきます。
要するに、“肉を切ってから焼く“のではなく、”肉の筋を切ってから焼く“ということです。
ただし、切り込みを入れ過ぎると肉汁が余分に流れ出てしまう原因になるので注意が必要です。
お肉に塩がつくと、内側の水分が表に出てきます。ところが、塩を振ってから長い時間置いてしまうと、肉の水分と一緒に旨味成分が流れ出てしまうのです。なので、塩こしょうは肉を焼く直前に振りましょう。
ポイントとしては、塩を振る前に表面の余分な水分をキッチンペーパーで拭き取ってから味を付ける事。又、高い位置から塩こしょうを振ると、満遍なくかかります。
焼きむらと焦げ付きを防ぐため、お肉を焼く前にはフライパンを空焼きして、しっかりと温めておきましょう。
ただし、フッ素加工のフライパンは空焼き禁止なので、そちらをお使いの際には、必ず油を引くよう
にしてください。
油を引いたフライパンに肉を入れます。始めに片面を強火で1分程度、焼き色が付いたところでひっくり返して裏面を焼きます。時間はおおよそ30秒~1分程度、強火で加熱しましょう。
肉をフライパンから取り出し、アルミホイルで包み込み、3~5分程度休ませながら余熱で火入れをします。こうすることで、肉汁を肉の内部に留めて、旨味が逃げ出すことを防ぎます。
下処理から完成まで重要ポイントを丁寧に重ねていき、最後に6の工程を行うことで、“噛み切れる”と“噛んで呑み込める”をどちらも両立させた柔らかいステーキ肉に仕上げる事が出来るのです。
ステーキは切手から焼くのそれとも焼いてから切る?【まとめ】
ステーキ肉は切ってから焼くのではなく、大きいまま焼くことで、旨味の素である肉汁を肉の中に閉じ込めておくことが出来ます。また、焼いてから切ることで肉汁の放出が最小限で済むのです。
これにより、子供からお年寄りまで誰もが美味しく召し上がれるステーキが完成します。
ただし、出来上がってすぐ熱々のうちに切ってしまうと、肉汁が内部に留まれずに流れ出てしまいます。なので、完成した後は少し間を置いてお肉を切るようにしましょう。
ご家庭で手に入りやすい安価な牛ステーキ肉でも、十分に美味しく食べられる調理のポイントを並べてみました。
今後のご参考になればと思います。