玉ねぎを茹でると栄養が無くなる?できるだけ減らさない食べ方を解説!
TVなどで、「玉ねぎで血液サラサラ」といったことをお聞きになったことはないでしょうか?
まさにそのとおりで、玉ねぎには高血圧や動脈硬化に効果的な栄養素がたっぷり含まれています。
身体が気になる方には、積極的にとっていただきたいお野菜です。
とはいえ、「生の玉ねぎは辛い、茹でて食べたい」と思われる方もいらっしゃることでしょう。
そこで気になるのが「玉ねぎを茹でると栄養が無くなる?」です。
結論からいうと、茹でることで玉ねぎの重要な栄養素を逃がしてしまう可能性があります。
この記事では、生食、茹でる、炒める方法のうちから、目的別におススメの方法をご紹介しながら、各調理法の注意点もまとめていきたいと思います!
Contents
玉ねぎは茹でると栄養が無くなるの?3種のサラサラ成分に注目!
玉ねぎを食べると血液がサラサラになるといわれるのには、主に3つの成分が関係しています。
ここでは、それぞれの栄養素について、その性質をまとめてみたいと思います。注目するポイントは2つ!
②耐水性があるか
(耐水性という表現は一般的ではありませんが、分かりやすいので使っています)
以上の点です。
耐熱性があるかどうかによって、茹でる調理法や、炒める調理法が適しているかどうかが分かります。
また、耐水性があるかどうかによって、調理する際に注意すべき点が見えてきます。
例えば、水にさらす、茹でる。このような工程で、栄養素が水に溶けて失われてしまうこともあるのです……。
サラサラ成分のエース:硫化アリル
①耐水性:×
玉ねぎに含まれる血液サラサラ成分としては、まず硫化アリルが注目されます。
硫化アリルは、血液中の糖、脂肪、コレステロールを減らしたり、血栓を防ぐ効果が期待されます。ただし、耐熱性や耐水性がありません。
ですから、加熱調理には向きませんし、長時間水にさらすのも禁物です。
注目のポリフェノール:ケセルチン
②耐水性:×
ケセルチンは野菜に含まれるポリフェノールとして、近年注目されている栄養素です。
ケセルチンは、血中のコレステロールを減らしたり、食事に含まれる脂肪の吸収を抑える働きをもっています。
耐熱性があるので加熱できますが、耐水性がないので、水に溶けだして無くなる場合があります。
例えば、玉ねぎを茹でると、ケセルチンは玉ねぎそのものよりも、茹で汁の方に多く含まれることになります。
セパエン
②耐水性:×
生の玉ねぎに含まれているチオスルフィネートという成分は、加熱によってセパエンに変化します。
セパエンにも、脂肪やコレステロールを減らす働きがあります。
ただし、この成分は「加熱しないと発生しない」という特徴があります。
また、耐水性はありませんので、茹でると栄養が溶け出してしまうのは、ケセルチンと同様です。
目的別!玉ねぎの食べ方と注意点について
とにかく体にいい栄養素を摂りたい
そんな方におススメなのは、やはり生食です。
クリニックや、健康番組などで玉ねぎの効能が取り上げられるとき、まず挙げられるのが硫化アリルなのです。
まさに、血液サラサラ成分の代表格ですね。硫化アリルは、加熱すると無くなるという性質をもっていますので、生食に限ります。
ケセルチンにも耐熱性がありますから、生食なら、硫化アリルとケセルチンの両方を摂ることが出来ます。
注意していただきたいのは、水にさらず場合の時間です。
長時間さらしてしまうと、せっかくの硫化アリルやケセルチンが全部溶け出してしまいます。目安としては、5分程度です。
辛いのはダメ、無理なく続けたい
そんな方におススメなのが、炒める調理法です。
加熱することで、硫化アリルは失われてしまいますが、ケセルチンとセパエンを摂ることが出来ます。
特に、ケセルチンには脂溶性があり、炒めるときの油に溶け込みます。
ただの玉ねぎからケセルチンを吸収するよりも、ケセルチンの溶け込んだ油を吸収する方が、身体にとっては簡単で効率的なのです。
茹でるときに気をつけたいこと
生食と炒める調理法をご紹介しましたが、どうしても茹でて食べたいという方もおられるかも知れません。
耐熱性のあるケセルチンもセパエンも、茹で汁に溶けだしてしまいますから、あまりおススメは出来ません。
もし、茹でる調理法で食べたいときは、カレーやポトフなど、茹で汁をそのまま食べられるお料理が適しています。
こうすれば、ケセルチンやセパエンを逃がすことなく摂ることが出来ます。
また、フランス料理で使われる「ブイヨン・ド・レギューム(=野菜のお出汁)」のように、玉ねぎの茹で汁をお出汁に使って、スープなどにするのもいいですね。
玉ねぎは茹でると栄養が無くなるの?【まとめ】
いかがでしたでしょうか。
今回は「玉ねぎを茹でると栄養が無くなる?」という疑問について解説させていただきました。
玉ねぎには、硫化アリルやケセルチン、セパエンなど、血液をサラサラにする成分がたっぷり含まれています。
しかし、これらの栄養素は加熱したり、水で調理すると無くなる可能性があるということをご紹介しました。
また、それぞれの栄養素の特徴に沿って、生食、茹でる、炒める調理法のうち、目的別におススメの調理法と注意点についても解説させていただいたので、今回の記事を参考に、玉ねぎを上手にとりいれていただければと思います!